ちょっとしたアルバイトのつもりでクラウドワークスの仕事を受注している方は要注意です。1年間で得た収入額によっては、税務署で「確定申告」を行う必要があります。
「税務署」「確定申告」なんて言葉を聞くと、ちょっと不安になってしまう方も多いでしょう。でも安心してください。
確定申告は決して特別なものではありません。
実際に税務署へ行ってみれば分かりますが、お年寄りや10代の学生さんも普通に確定申告をしています。
「主婦・主夫だし確定申告しなくてもバレない」は嘘
SNSなどで、
「クラウドワークスの報酬って確定申告しなくてもバレないでしょ?」
「実際、主婦で報酬をもらってるけど、確定申告してないのバレてないし(笑)」
なんてやり取りを見ることがあります。
しかし、この言葉を鵜呑みにして、「私も確定申告しなくて大丈夫なんだ!」と安心するのは大変危険です。
確定申告が不要な人と必要な人のボーダーラインは、明確な数値が決められています。先のやり取りの人たちは、たまたま今年「不要な人」だっただけで、あなたは「必要な人」なのかもしれません。
クラウドワークスでお金を稼ぐなら、年度末に確定申告が必要になることを前提に動いてください。
確定申告が必要な人のクラウドワークスでの収入額・条件とは
クラウドワークスで収入を得ている個人の方は、収入額に応じて確定申告が必要となる場合があります。
以下の文章は、クラウドワークス公式サイト内の「クラウドワークス よくある質問「【メンバー】確定申告はする必要がありますか?」からの引用です。
日本国内で一般的に確定申告が必要な場合
■給与所得者の場合
(クラウドワークス以外に勤務先がある場合)- 給与所得及び退職所得以外の所得(総収入金額 - 必要経費)の合計額が、
20万円を超える人
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人上記のいずれかの条件に該当する場合には、確定申告を行う必要があります。
※詳細については、国税庁ホームページ「給与所得者で確定申告が必要な人」をご確認ください。■給与所得者ではない場合
所得金額(総収入金額 - 必要経費)の合計額が、
所得控除の合計額を超える場合
所得控除のうち、基礎控除の金額は「38万円」となります。
※所得金額が38万円以下であれば、原則確定申告する必要はありません。
「給与所得者」とは、いわゆる「お給料」をもらっている人のことを意味します。
クラウドワークスの他に、お店や会社で働いて給料をもらっている人は「給与所得者の場合」の欄を参考にしてください。
それ以外の人は、「給与所得者ではない場合」の欄の通りです。
どちらも難しいことが長々と書かれていますが、ほとんどの人は太字部分さえ覚えておけば問題ありません。
クラウドワークスでは請求書を発行できる
クラウドワークスでは、仮払いが行われたタイミングで請求書を発行することができます。
この請求書は収入の証明に使えるので、発行して保管しておくのがベストです。
ちなみに、クラウドワークスで差し引かれる手数料は経費として処理できます。
クラウドワークスでの源泉徴収の扱い
源泉徴収とは、お金を支払う側の人が、本来払うべき金額から所得税などを事前に差し引いた上で、給与・報酬の支払いを行う制度のことです。
源泉徴収が必要な報酬
源泉徴収の取り扱いは、クラウドワークスでも難しいものです。
源泉が必要な報酬には次のようなものがあります。
1 源泉徴収が必要な報酬・料金等の範囲
(1) 報酬・料金等の支払を受ける者が個人の場合の源泉徴収の対象となる範囲
イ 原稿料や講演料など
ただし、懸賞応募作品等の入選者に支払う賞金等については、一人に対して1回に支払う金額が5万円以下であれば、源泉徴収をしなくてもよいことになっています。ロ 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
ハ 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
ニ プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
ホ 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
ヘ ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
ト プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
チ 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
(引用:国税庁HP「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」)
クラウドワークスでの収入はイに該当するケースが多いはずです。
つまり、源泉徴収の必要性は、1つの仕事の受注単位が5万円以下かどうかで判断することができます。
ただし、クラウドワークスのお仕事形式には、プロジェクト・タスク・コンペの3つがあり、その仕事内容はホームページ制作やデータ入力、ブログ記事作成など、多種多様です。
また、支払い方式にも成果報酬制と時給制の2種類が存在します。
源泉税の差し引きが必要かどうかは、クライアントと相談してみるのが一番です。
場合によっては税理士などの専門家にも相談してみてください。
源泉徴収を行うのは発注者(クライアント)側
クラウドワークスのお仕事の受注者(ワーカー)さんで、源泉徴収の有無をもの凄く気にされている方もいらっしゃいます。
しかし、本来それを意識すべきは、報酬を支払う発注者(クライアント)側です。
源泉徴収で不安を感じた場合は、まずクライアントに軽く質問してみましょう。特に問題のないクライアントなら、分かりやすい回答を送ってくれるはずです。
クラウドワークスでの支払調書の取扱い
これもクライアント側が意識すべきことですが、お仕事内容によっては支払調書が必要になるケースもあります。
支払い調書が必要なケース
クラウドワークスで源泉税を差し引き、1人の受注者に対する年間の支払金額が5万円を超えた場合、クライアント(発注者)は支払調書を作成し、税務署に提出する必要があります。
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲は、次のようになっています。
(1) 外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
(2) 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中の全ての支払金額
(3) プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの
(4) 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
(5) 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
(引用:国税庁HP 「No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等」)
クラウドワークスの報酬は、(4)が該当します。
ただし、支払調書は源泉徴収票とは異なり、本人への発行義務はありません。
とはいえ、受注者側が確定申告を行う際に必要となるため、大抵は本人への発行も行ってくれます。
クラウドワークスの確定申告、不安なことは専門家に相談を
数年前とは異なり、今やインターネットを介してお金を稼ぐことは、珍しいことではなくなりました。
クラウドソーシングにおける確定申告のポイントを詳しく解説しているサイトもたくさんあります。
しかし、こういったサイトをいくつも見て何時間もかけて調査するよりは、専門家に1回質問した方が、時間も体力も節約できますよ。
しかも、ネット上の解説サイトは税金の素人が執筆したものも少なくありません。また、情報が古くて今とは事情が変わっている場合も……。
結局のところ、専門家に相談するのが一番ラクで正確なのです。
例えば、